テキスト1982
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雪柳はのびやかに横枝の先が垂れ下がるように咲くがそれを直立させていけてもおかしくない。雪柳も2頁のエピデンドラム同様短くいけたのではつまらない乙とである。乙のいけ花は全体で高さ均価、はお畑、紺色の花器にスイートピー幅柳の黄色がはっきりした良いコントラストである。花器の口より下の方へ黄色いスイートピーをいけているので上の方で雪柳の自の中にまじっても白と黄がはっきりと色を分けて感じられる。のは花が少ないが自然に満開した時は太さ5仰、長くしたような形に咲く。以前通っていた阪急沿線の石橋の稽古場の隣雪柳もいけ花用に売られているも長さ1m、白猫の尾をが大きな雪柳畑で高さ2m程の叢がりが回はあったと思う。満開の時は畑が白く盛り上がり、雪柳というより豪雪柳といった芳が良いような凄い咲きっぷりだった。その雪柳も晩秋十一月の末頃には冴えた紅に葉が照る。冷たい時雨のあとその紅葉の聞にポツンと一輪返り咲きの雪柳の花を見る時、同じ雪柳だったのかどうか、分からなくなってしまう。上賀茂辺でも秋の紅葉した雪柳をよく見かける。幾枝かに一輪、白い小花が咲いた一枝は、その紅葉が他の枝より美しい。乙のいけ花も花器に砂をいれ剣山をのせ雪柳からきしはじめる。大きい校四t五木で輪郭をきめたらスイートピーをちらす。そのあと残った雪柳の細枝で形を補う。以上二瓶は長い枝を短くしないで小さなスペースにのびのびした花をいける参考にして頂きたい。②と花白’封が一つに儲けあって自然に花を見てそれに近付きたいとねがう気持が起きた時から生花の稽古が始まるのである。初期の段階ではまず型になじむ乙と、それには生花の構成の原則を正確に知っておいてほしい。その上で「行の型」が完全に、正しくいけられるようになる迄は自分の個性も好みも問題にならない。「行の型」が正確に頭に入った頃から桜と栴の違い、杜若と花菖蒲の違いも初めて少しずつ分かりはじめる。その頃が第二段階になるのではないかと思う。生花の木に害かれている色々な花のいけ方の違いを覚えていけ分けようとするのではなく、例えばその日手にした桜が、その日の桜のようにいけられるのが第二段階の終る頃であろう。その辺ではじめて仙の人と自分の生花の追いが出てくる。初期、中期の段階では完全に型になじみ乙むのが良い。何度もくりかえすが個性や好みは必要ないのである。自分を押し潰し、押し殺して稽古を重ね、最後に残ったものが木当の意味での個性なのである。或は個性等というものははじめからあるものではなく訓練によって芽生えてくるものなのかも知れない。そして一瓶の見事な生花、というのは感受性が立かに育った自分自身山来上がってしまうもので、作り上げてやろうという作意のようなもの一冨*911 スイートピー(黄)(育ブi形花瓶)$ 三ヨ3

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