テキスト1982
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ひとでかずら(フィロデンドロンセロウム)J存花器青磁花瓶人手葛(ひとでかずら)はモンステラ等と共に稽古にもよく用いられる観葉植物である。瓶花や盛花だけでなく葉柄の長いものがあれば生花にも良い。紫車勺(ぎぼし)の葉組の要舗を活かせば楽にいけられる花材である。葉而が大きいので乙とでは二枚を真、副に用い、留には椿を使って、真、副、留の三体にいけた。大きな副の葉は胴や見越を米ね充分奥行がとれている。だから無理に枚数をふやすと、ただでさえ大きな厚みのある葉が重苦しくなって中花独特の浦酒な感じがなくなる。花器は少し濃い目の青磁色で、入手葛と椿の緑の・持品]の・中の純椿の紅一一輸が大変効果的な配色である。人手葛は一年中使えるので期間になる花は色々考えられるが、今時分なら椿が最適のようである。椿の代りにパラでは少し廿く軽い感じになりそうだし、菊では野暮くさい。季節の花の巾で、乙れはというものをえらんでそえるのが乙ういう生花をいける時の業しみなのである。他に観葉植物の葉ではアンスリュlムの葉、カラジュlム各種、デフェンパキア、モンス−てフ、くわず芋、ドラセナ類の一部、サンセベリア、榔子類、カラテア、マラン夕、シペラス、シダ各種、が考えられる。古典的な技法を生かしてその自然をひき立たせるような生け方をしたい。ひとでかずら薮6

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