テキスト1982
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「好きな花は?」のアンケートにいつ’も卜人位に山ているコスモスは美しいし、名前も良いが、いけるには厄介な花であるο原産地のメキシコから世界中に広まり白木に入ったのは明治十二年である。以来品種の改良も進み花嵐には四月頃から十凡頃まで売られている。庭の花壇でも七月から十月迄見ることができるし色も白、ピンク、政紅と段附があるο花屋で聞いた話だがコスモスは白がよく売れ残るらしいが、いけ花とするには白から濃紅までの・也の移り変りがある方がいけやすい。というのはコスモスは上凶のように広葉物や優しい感じの花と二聴いけにするのが美しいし、かなりの木数を必要とするので、色り移り変りがある方が良いからである。コスモスのいけ難い理由は先ず葉が刺く弱々しいことと、花がまちまちの方向を向いている乙と等であろう。一木の葉を、三分の一位に整理していけても、十本集めれば相当な分量になる。多過ぎるとむさくるしいし、少ないとギスギスした感じKなるので、いける前にも整理し、いけあげてからも余分な葉や、からみあう葉を切りとって姿をととのえなければならない。その上で花の向きにも気をくばる乙と等、身近な花ではあるが、美しく見せるためには巾々手のかかる花である。出の山み花が門・LH前から咲き始めている。仕事の令聞に位ピおりると、そんな小さな変りがいくつも自について、季節に身を包まれてれらしているのが感じられるο乙の家に帰って米て二年をζした此頃ようやく落ちついて過ごせるようになったυ父の入院中に帰ってきた故か、留守番に来ているような感じで、何もかも間に合わせのようで居心地が忠く、いいい糸子も元の古川ボが恋しいようだつた。部屋の使い方を変えたり、少しずつ改装して自分の居場所がきまり、家族の集まる部屋も山来たので、此頃どうやら私の棲処(すみか)になったようである。仕事の方も各自の分判がきまり、秘書役の奥野君も慣れてきたようである。勾引十時から始まるその日の日課もうまく運ばれている。い…糸/十は事務的な仕事や出稽古のA円聞を縫って数限りない雑用をこなしている。此頃庭掃除をやっている姿を、よく見る。気分転換になるとは言っているが庭掃除の苦手な私は、敬意をもって眺めているより致し方なく、書斎に一民って私の仕事を続ける。樫子は卒業前で学校が忙しいようスモスコ角近況J/ トロク灰料色ノk盤一一L」ノ\4

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