テキスト1982
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オlニソガラムは地中海沿岸地方乙の部屋も前頁の続きの通り庭の土間だったが、父が一度直しはしたが手狭な上に使い勝手が悪いのですっかり変えてしまった。黒っぽいニス塗の木部と白壁の対照だけで仕上げ、余計な装飾は用いていない。いわゆるD−K(ダイニングキッチン)なのだが家の他の部分との調和は保っているοいけた花はテーブルの花としては大きいが、ムハ人掛けのテーブルを四人で使っているので端の方へ置けば食事の邪魔にはならない。そして窓の外に緑が多いので葉の少ない花をいけておいても借景として庭樹が役立っている。の植物で、切花として大量に出はじめたのは最近のことであるο星状の花弁の中心に暗緑色の球状の雌芯が黒点のように目立つ。薄の穂は東にして大きなパックとしてその前にオ!ニソガラムをいけ彩りを明るくするのに赤いパラを水際に挿した。オーニソガラム花器は白く、周囲の白畔よとよくあう。敷物は細かい赤を基調にした花柄でテーブルの濃いニスの色とよく馴染んでいる。大量に挿した薄の穂のミルクコーヒー色が乙のいけ花に少し渋味を与えているので部屋との違和感はない。仕事柄テーブルの花はき=りしたことはないが、いつもこんな花でテ|ブルを飾っている訳ではない。いつもはA表紙の花V程度のものである。ガーベラとアロカシアをいけてみたが英国風の花瓶と共に部屋にうまくとけ乙んだようである。アロカシアをとりあわせたからそんな感じにいけ上ったのだろうと思う。仮にアロカシアなどではなく鳴子百合をとり合わせたとしたなら多分喫茶店かレストランの飾り花のように見えるだろう。カーネーションとアスパラガスでも同じζとが言えそうだ。食卓にはありあわせの花を気軽に飾りたいし、それで良いのだが花措も含めてとりあわせに気を配って、向分自身の葬囲気を作りたい。これから秋には美しい小粒の赤い実が多い。小さく他の花とあわせてもいいし穂の出る草も沢山ある。作例のガーベラとならホウキモロコシ(ホウキキビ)も良さそうだ。和室なら床の間があって、そ乙へいけた花を飾るだけですむが、椅子テーブルの部屋では花を飾る場所を自分で工夫しなければならない。そして特にダイニングキッチンのような部屋には余分なスペースがなく何か飾ってもすぐ邪魔になって片付けられてしまう。使用目的から考えても、小さなものがあち乙ちに無間に飾られているのはよくない。新鮮な花一つが生き生きと飾られているだけで充分である。ノ可夕、、イ、−・、回・ーーフ薄の穂花器白粕水盤3 ングテーブル

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