テキスト1982
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〈瓶花〉蔓物の瓶花はこれから晩秋まで色々な花材が多くなる。代表的なのが抜取茨(山帰来)や蔓梅擬(つるうめもどき)であろう。長物の他にも枝が垂れ下がるような形になるものとしては雪柳、小手強、山吹、連麹等がある。又古木の中には松のように幹から下向きに枝が出ているものもあり、花瓶に挿す時口から下の方に向かって枝をのばすように生ける型を垂体とよんでいる。廷物の場合昔は特に懸花(かけはな)に好んで用いたようであるが小部屋の床柱にはよくあうものだといえる。とくに夏は朝顔を床の間の向う掛にいけたりして早朝の楽しみとしていた。現在では蔓物或は垂れ物は瓶花にすることが多い。言うまでもない乙とであるが花瓶は背の高いものが良いに決まっている。垂体では副主型、胴主型、留主型の三体がありその主枝を下器の口から長く下へのばしたいから当然の乙とといえる。木図では一則からいけはじめている。次に胴を挿すが両方共実が重く重心の定まりにくい花材だからT字配りをつけてしっかり留め、他の花を挿しても副と胴の山帰来の形が崩れないようにしておくととが乙の花をいける時一番大切な乙とである。次に真の百合を低く挿すが切口が花器の底につく長さに切っておくと垂直に近い角度になる。次いで中間は左斜前に長くのびる。控は低く奥行をもたせ真より心持ち後にいれる。留の羊歯は最後に全体の形と水際をよく考え乍ら挿す。瓶花、盛花共に軽い枝は最後にした方が良い。(本図は右勝手)垂体副主型真・中間・控・…・・鉄砲百合副・j胴・・…−一一一−−抜取茨留一…・…ー………・…・羊歯花器一……−−…−−青般花瓶8

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