テキスト1981
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なくのるものである。乙の花は白だけで、あとはグリーンと花器の黒白だけである。ジャスミンの葉と、アンスリュlムの葉は同じに近いグリ見える。の花とも調和してくれるので私の好きな花瓶の一つである。白地や黒地の上には殆どの色が難ーンなので無彩色のいけ花のように口の大きさも手頃だし、どんな色ジャスミンは芳香のある花を好むヨーロッパや中国ではとくに喜ばれている。素馨(ソケイ)の系統に属する花はジャスミン・00と呼ばれているοと乙でいけられているのは莱梨花(マツリカ)の名で知られる中国での栽培種のものである。同じ系統の中では黄梅(オウバイ)と黄素馨がいけ花にはよく使われているu黄山糸馨の方が一般的で黄梅の方は蔓素馨(ツルソケイ)とも呼ばれているようである。中国では迎春花とよばれている。ζのいけ花はジャスミンをいけたい。それにヨーロッパで小麦を作るというより、一枚のアンスリュlムにしても毎年同じ農地で続けて生産の葉を美しくきわ立たせたいためにすることが出来ないので一定期間休ジャスミンをそえたといっていい。一輪挿に近い簡単ないけ方である。らなければならないのである。夏の自に聞かれた窓から微風にの一方日本での米は単位収穫量が多って運ばれる芳香もよいし、閉め切い上に何年でも連作出来るような風られた、クーラーのきいた部屋ーζも①土であるから米を育てる聞に雑草の自然の呑がほしい。夏の涼風にそえるいけ花である。作豊いけばなというものの成り立ちを考えた場合、日本の風土を抜きにしては考えられない。私のいう風土とは日木列島の自然条件の事である。夏雨型の日本列島は熱帯多雨林のように恐ろしい迄も植物が繁茂して人聞を駆逐してしまう程ではないが、切っても切っても後から勝手に植物は成長して来た。或る時期植物に対する公害の問題で日本人は植物は、いくら切っても、いつの間にか元通りに生えてるとしか思ってなかったので、こんなにも早く公害が進行してしまったのだという論文を読んだ乙とがある。植物の生育条件と人間の生活条件がつりあった日本では農業が盛んになるのは当然の事であり、日本の米の単位収穫量はヨーロッパの小麦のそれとでは比較にならない程大き耕し牧草地として土地を休ませてや一生長も早く、その除去にも多大の労一力を要した。映画で御覧になる乙といけ花と造形芸術白と緑ジャスミンアンスリューム葉器花藤近8

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