テキスト1981
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ジャlマンアイリス海葡萄枯葉(ドイツ鳶尾)(白水盤)アイリスの仲間は古くから美術品に登場している。ギリシャにもペルシャにも。中国では鳶尾つ)。日木では代表が杜若である。削地に生えるため水の流れの中に描かれていることが多い。ヨーロッパにいってもアイリスの絵は豊富で積類が多い。アイリスにヨーロッパ人の好みが最もよく表現出来たのが、乙のジャlマンアイリスなのではないかと思える。色も白、黒紫、赤、茶、紫、黄、ピンク、オレンジと変化が多く、色がまじり合った上に大きな花が一本に七、八輪も咲く。花菖蒲も変化が多いが、白と紫が基調で、ジャlマンアイリスにくらべれば淡泊なものである。ヤン・ブリュlゲル(日|打世紀オランダの画家)の「花束」という絵にもジャlマンアイリスが三種類柿き乙まれている。黒が基調のものが一輪、黄と茶のこの頁のものが一輪、黄色のが二輪、他に紫のアイリスの他チューリップ、水仙、パラ、と色んな花が生々しく黒をパックに瑠璃色の中国の花瓶にいけられたものである。その絵を見ていると、ジャーマンアイリスのような花を創り出していくヨーロッパ人の噌考が理解出来る。勿論我々と同様淡泊な花(いちはを愛しもするが、一方では乙んな複雑な色の花をも望み、創り出して行くのである。乙の頁の花は黄と茶の花弁のジャlマンアイリス5本と海葡萄の枯葉をロ枚。白い厚手の深い水盤にいけている。海葡萄の枯葉は赤褐色から茶色、白っぽい緑がかった茶色と変化の段階が様々である。ジャlマンアイリスも下向きに下った花弁が明るい茶色である。基調色が茶色の所へ、上向きの花弁だけが鮮やかな黄色で、このいけばなの色彩効果をあげる役目をしている。他に考えられるのは濃く強い赤い花である。赤と乙げ茶色も良い配色でよく使われている。海葡萄の葉は枝から切りとり葉柄に足をつけて剣山にさしている。広い葉物を多量にいけるときは、前後の聞を充分とり一枚一枚の問に空間をとる乙とが大事である。そして低くかくれるような小さ目の葉もほしい。又後の方の葉は見えなくてもよいくらい低く、後へはり出させるとと。見えるようにと高くいけると平べったく奥行のない花になってしまう。アンスリュlムの葉、モンステラ、柏ゴムの葉、アロカシア等私達は好んで多量いけるが、以上のような乙とを注意していけている。色々と応用する乙とが出来るので覚えておいていただきたい。渋い明るさ"\ー2

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