テキスト1981
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八市辺京反山口山作〉木瓜ぼけ海葡(うみぶどう)木村持政作・松樹天目深鉢海葡萄という名の植物であるが、原産地や何科に属するものなのか不明である。木瓜との二種いけでざっくりした感じで細かく手はいれていない。分厚い葉のわりには水あげが悪く、三日間の展示が終る乙ろには少し変色し出していた。良い色に乾きそうなので会の後包んで陰干しにしている。春の展覧会のシーズンも終り、乙乙折らくの問家に落ちついている。町中の家ではあるが新緑が今年はとくに美しいような気がする。去年は虫が多く、椿、山茶花、つつじが大分いためつけられた。それをとりかえすように新芽が沢山芽を出し、庭中が青々としている。椿や牡丹の花も終り緑一色である。庭がせまくなったような気さえする。対照的に家の中はカラフルないけばなでうずめられている。テキストの写真に使った花、稽古の見本にいけた花が所かまわず、あちζちにおいである。毎朝の花の手入れも日課の一つである。好みの花は少々のいたみ方では中々抜きとってしまうことが出来ない。水をかえ、しおれた花をつまみとり形をととのえるのに一時間はかかる。冬の聞は暖かい部屋にとじ乙もって他の部屋には出入りしないが、今日此頃は家中あけっぱなしになるのでどの部屋の花もすぐ自につく。花の多いのは楽しいことではあるが楽しむためには手間のかかるのはさけられない。色んな仕事に追われた上花にまで、とは思うが豊かさとは、そ乙まで目がとどく乙とである。」のてシlズをン終っけばな展ル幻一「し、10

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