テキスト1981
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一F3、‘e島aa‘.(たけしまゆり)乳円色花瓶「植物表名の紙漢字の引」大山蓮花(おおやまれんげ)は観賞用花木として植えられているが、天然の生育地は少ないそうである。奈良県の大峰山にはやや多く生育しており、名前の大山は大峰山を指している。花は香りがよく朴の木の花によく似ている。モクレン科に属する。聞いた花は落ちやすく、葉も傷つきゃすいので丁寧に運ばれて来たものでないと痛々しい感じのするものである。やわらかそうな葉と白いふくよかな花は上品な感じで杜若や笹百合等とよくあうし、季節感も充分味わう乙とが出来る。花器は土色の肌で口が広い。剣山を落とし乙んで杜若をとめられるようにしている。大山蓮花を前後に広く奥行をつくり、真中をあけておいて杜若をいけた。平たい杜若の葉は花器の中で枝が乙みあっていると思うようにいけられないからその点をはじめから考慮にいれておくべきである。いけ上げた翌朝杜若の花が聞きはじめたが控え目な色調の上品ないけばなである。爽やかな青葉の季節そのものが感じられる。何回でもいけてみたいような気がする。植物名を片仮名で書くのは一見親切そうであるが、その植物の命名の由来も分からず、誤った印象をもっ乙とさえある。あて字のっけられているものもあるがそれなりに愛すべき印象ももてる。例えば狸々袴(ショウジョウパカマ)は狸々緋色||赤の一種llの花色を狸々||伝説上の動物||の髪に、根もとの葉を袴に見たててつけられた名前である。山かげに咲く小さな花を狸々に見たてた夢のある名前である。賞状袴でもなく、まさか小乗馬鹿魔と思う人はないではあろうが間違いはおこり得る。杜若(かきっぱた)を燕子花とあて字で書くが優雅なあて字である。何となくそんな感じにいけてみょうかとも思わせられる。アジサイも紫陽花と書いて乙そ花の感じがつかめるがアジサイのアジを味とでも勘違いしたらサイの方は彩ならまだしも菜になってしまっては情ない乙とである。漢字は覚えるのが大変だというがアルファベットでスペルを覚えるのとそう変らないのではないかと思う。たった4字ではあるが007で有名なショlン・コ、不リlのショーンはSEANと穣る。ふつう私達にはショlンとは読めない。だからヨーロッパの方が国語の時間が多いそうである。今後良い漢字名のついている花は漢字で書いて解説したいと思っている。竹島百合がまずみ,、〈9

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