テキスト1981
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刊ーペ8リアトリスの開花期は六月中旬から、七月上旬なのだが此頃台湾や沖縄で栽培されているものは三月頃早くも花屋の店先にあらわれることがある。四月の生花の新古にも使ったが、「リアトリスは大体六月の花なのですが:::」と言訳がましい説明をしなけばれならない。リアトリスはお佃から缶佃位の長さで叩本。うすいブルーのあじさいを二本。別に葉だけのあじさいを一本リアトリスの足もとをかとうようにいけている。花器は薄茶色のおとなしい水盤で大ていの花の色に合う。4、乙のいけばなのように本数を多くいける場合剣山は出来るだけ大きいものを使うべきである。小さいと安定が悪いが、なおその上足もとがつまって、のびやかな形にいけられない。よく剣山の真中辺にかためて花がさされているのを見るが大変窮屈ないけばなになってしまう。花の上部のひろがりの大きさにくらべれば剣山は小さなものである。少しでも足もとを広くとらないと中の方で枝や葉がからみあって風通しの悪い煮えつまったような花になってしまう。初夏からのいけばなでは特に注意したい点である。直径打倒深さ日明の小さな白い鉢で花器として作られたものではない。花は宇治の教室で用いた稽古花である。アンスリュlム三本がうまく写真にうつるか心配していたが、幸いそれぞれが、はっきりしていたので少し変った花としてテキストに掲載するととが出来た。平たいアンスリュlムとその葉は一枚一枚の前後の間隔を少なくとも5佃以上はとってほしい。聞がつまって奥行がなくなるとアンスリュlムの美しさは半減してしまう。玉しだは日咽位の長さで、上の方のアンスリュiムとの聞を少しあけておいて、それぞれの形をはっきりさせておく。玉しだの細い軸はアンスリュlムの茎のきれはしにつきさしてから剣山にとめている。別に変ったとりあわせではない花はどうしても形で見せるようになる。乙の花では少し小さめの花器を使ったのと、玉しだを短く、真直に立てて形の上での特徴を作っている。小品ではあるが強い感じを与える花になった。ー、J\ i・・\てリアトリス' 紫陽花(アジサイ)玉羊歯(タマシダ〉アンスリューム・ー5

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