テキスト1981
61/156

蕗(ふき)のアメリカヤマボウシ黒百葉Hs六角の家の庭はせまい所に随分多種類の草花や樹木が植えられている。もとから植えられていたもの、後から植えさせたものの他忙、いけばな展や写真のために買った根付きの花を用がすんでから植えたものもある。乙のぺlジの蕗もそうである。秋田蕗の大きなものだったが、二十年たった現在御覧の通りの大きさになってしまった。シャクナゲもいけばな展の残りを植えたものが三種類、イタヤモミジ、椿、ツツジにクリスマスロlズ、ボケと所かまわず植えている。牡丹も五種類あって毎年花が咲く。庭花色々なものがあると便利なもので、テキストの写真の時にもよく使っている。葉聞や著衰の葉、イタヤモミジや錦木の小枝。椿もよく切って使う。栄養たっぷりに育ったススキは年に何度も切られている。もとは縞ススキだったが、いつの間にか普通のススキK戻ってしまった。毎年初夏に京都の植物園で、山草野草展というのが聞かれて、時々見に行くのだが欲しいものが沢山ある。買って帰って庭にと思うのだがどうもうまくっきそうにもないので敬遠している。その出品者に聞くと案外簡単に庭で作れるような気になるが、植えてみるといつの間にか枯れてなくなっている。とくに小さい草花は中々うまくいかない。今年もいけばな展用に買ったレンケツツジ二種とアメリカヤマボウシを植えてみるつもりだが、もうそろそろ植える場所がなくなってきている。庭の小花を楽しんでいける感じをと思っていけたのが乙の篭の花である。庭の花も、いいにはちがいないが、手入れがゆきとどかないので葉の色の悪いもの、虫にくわれたりしていて、切りとっていけてみようとすると無残な姿のものも多い。切ってみようとして初めて気付くととである。庭師の手入れしてくれる大きな樹木はまだしも小さな庭の草花には中々目がとどかないものである。掃除の時に帯でいためつけられたりふみつぶされたりして、いつの間にか姿を消してしまう。京都の家には街中(まちなか)でも庭があり、その上山も近い。だから売られている切花以外の草花に接する機会は東京や大阪にくらべて、格段に多い。買って来た切花に庭木を一枝そえたり、羊歯(しだ)の葉をあしらったりする。庭のものを部屋の中に、いけばなとして持ちこんだ場合庭で眺めていた花とは又違った何かを感じる筈である。いけばなとはそんなものであるといえよう。白竹篭庭と野門:;.,メ入口9

元のページ  ../index.html#61

このブックを見る