テキスト1981
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IT’sノ (乙うほね)灰白色水盤四月末頃から端午の節句の為にも花菖蒲を稽古に注文する乙とが多い。その頃いけられる品種は切花用の促成栽培種のものである。この写真に使っているのもその一つで多分「初霜」という種類のものであろう。五月の花とされている花菖蒲も本来は同惜の五月で現在の六月の花である。花菖蒲の開花期は六月中旬を中心にして、早いもので五月下旬に一部の品種が開花する。花菖蒲の花は一輸の花が開いてからしおれるまで四日程かかる。開花して翌日最大限の大きさになり、三日目位までは観賞可能な花色を保ち、四日目からは色があせ、しおれはじめる。しかし頂部には二個か三個の花がついているのでしおれはじめた花をとってやれば次の花が咲いてくるので一週間以上はいけておける。乙こに使った水盤は直径お側、たっぷりと水をはることができる。玉石をいれて剣山を安定させているのだが、きれいな小石を使って水草をいけると何となく水辺の現実感が出てくる。花菖蒲や杜若は花より葉で調子をとりながらいけるものであるが、葉は必ず平に見えるように使い、縦向けにいけると葉がうすく見え弱い線のようになり、厚みがなくなってしまう。又水際も剣山が丸見えになり美しくない。そして水を見せていける乙との多いこれらの花は毎回注意しているが、水を常に美しく保つ事をおこたってはならない。葉で調子をとる深さ日佃で白花菖蒲,Iiヨ,円8

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