テキスト1981
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錆色水盤樺敷板四月、五月には杜若、花菖蒲ゃいちはつが次々と開花する。生花の稽古でも乙の季節に続けて何度もやるとよい。真、見越、副、胴、留、期間のしずみ、挫の七体でいけている。見越は裏葉組で三枚、花をつけている。其は三枚、花をつけている。副も三枚の葉組で花をつけた。胴ではじめて五枚の葉組で花をつけた。胴或は留のように前の方の葉組、だけは、花を用いる場合は五枚の葉組とする。留は花を用いず三枚の葉組。留のしずみは三枚の中高の葉組。挫は三枚の葉組に小さく固い膏をそえている。中高の葉は葉組のうちの真中の葉を高くつかう葉組であり、ふつう見越や留に用いるが中高の葉組には花をつけない。それは成長中の葉の形を・つつしたものだからである。一瓶にさす花の数は一株にいけるときは、二本、一二本、五本となっている。との花菖蒲では花を五本さしているので葉組は七組は必要であろう。又花菖蒲の花は葉より高くのぼって咲くものであるから、低いものでも胴の高さぐらいまでのものである。留に花を用いるとなると、どうしても花菖蒲としては不自然に低い花になってしまう。だからこの例ではまだ固く成長の途中のような奮を留より少しは高く使えそうな控に用いて左右の均衡をもたせている。花菖蒲七体生花左勝手紫花菖蒲l6

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