テキスト1981
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アザレア黒百合(ガラス水盤)ピンクにふちどられた白いアザレア。ヨーロッパには、ツツジの仲間は野生していないが他の地方から導入されて改良されている。ツツジ類はシャクナゲ類と区別してアザレアとよばれている。日本のツツジとそれほど変らないものもあるが、乙のアザレアのように、いかにもヨーロッパで変えられたツツジだなといった感じのするのがある。マイセン焼(ドイツ)の陶製の花がこんな感じである。満開で花の直径は叩佃ほどになる。私達がいけばなにするのは鉢植えのものをそのまま使うζとが多いが、あまり大きいものではない。だから枝ぶりをいかそうというのは無理で、それより花の色彩を楽しめるようにいける方が良い。アザレアに黒百合をとりあわせてみたが、黒百合がいきいきと、そして可愛い花花見える。麦のやわらかい線が軽やかさをそえて明るく晴れわたった所にいるような気持にさそわれるいけばなである。黒百合は地味な花として茶室などに小さくいけられているのも良いには違いないが、いけばなとしてとりあげる場合他にζんな色の花はないのだから、もっと積極的にとりあげるべき花であろう。大きな花にも愛らしきがあり、小さな花にも力強さがある。何年も花を手にしている聞に、との花にも乙んな一面があったのかと気づくこともある。小花の鮮やかさ麦2

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