テキスト1981
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杜若生花||逆勝手真副留の三体||(灰白刺深川ハ春さきの杜若はしまりのないものが多いが、乙の社若はよくしまって姿が良い。真、副、留の三体のどく分かりゃすい形にいけた。花は真と副の二カ所u葉は真に三枚、副に五枚、留に三枚組んでいる。素直に生長したらしく真の葉は手を加えず葉を組み直さずにいけられたω杜若の若葉が水面からのび上がり別個位まで生長する聞は、生花の説明の絵の通り規則正しく実に端正な形をしている。杜若の若葉に限らず正常に生育して行く植物は、その特徴通り規則正しい枝葉の出方をするものである。桜は桜のように生長し梅のような形にはならない。桜は桜のようにいけて良いいけばなにしたい。花を色と形だけの物質として扱うなら造型という言葉もうまくあてはまるし、色んな試みも抵抗なく受けいれられるだろうが、中々そういかないあたりにいけばなの良さがあるのではないかと思っている。私がいけばなに関して書いている事柄は、花をいけながら、或いは人のいけばなを見て感覚的に感じとったその感じを何とか文章にしているのであるο論理としては明確さを欠き、その上ひどい矛盾のある乙ともよく承知している。そうではあっても皆さんと一緒に花をいけ、そして話し合ってるうちに私の言おうとするととは感じとっていただけると思う。又私自身も感覚の目を大きく見開いて様々な乙とを感じとって行く努力を続けるならば、いつかは良いいけばながいけられるようになると信じている。自然な生い立ちおた8

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