テキスト1981
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カキツバタサツキ(濃紺深鉢)6ページの花はさっぽりした花であるが乙のページのはやさしくかわいい、いけばなである。海芋につつじ、かきつばた。つつじは淡いピンクでもやわらかみのある色をしている。かきつばたの濃紫も乙の花をひきしめるといった感じではなく、かわいらしさをそえるような使い方である。そして花器の濃紺の色に全体のやわらかな色あいをきわ立たせる役割を引受けさせた。白っぽい花器では全体がぼやっとしてしまってとの花のよさは半減しただろうと思う。「ツツジとサツキの違いは?」という質問を春先に何度も・つけるが、もともとサツキもサツキツツジといって、ツツジの一種なので区別するのは不可能である。ツツジは日本中到る所に野生し、その上庭にツツジの植えられていない所はない。ツツジ科は大きく分けて、ツツジ、シャクナゲ、カルミア、エリカ、ドウダンツツジ、アセビ等がある。切花として最もよく売られているキンコウカはクルメツツジの一極であるυ野生ではミツパツツジの一族が京都近辺の山を三月下旬から四月上旬をいろどるu遠くから見るとツツジの群落が新緑の問に絞り模様のように浮き出ているυツツジの系統で一度現地で見てみたいのはヒマラヤのシャクナゲ、ロードデンドロンの一族である。ヒマラヤの辺には青いケシや他にも神秘的な花が多いらしい。花にたずさわっている私は、ヨーロッパやアメリカに旅するのもよいが、ヒマラヤの秘境や、砂漠の自然にも一度はふれてみたく思っている。春のやわらかさあたたかさカ7 二L

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