テキスト1981
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l副し流左勝手ーーー(亦褐色花瓶)小手強という花は雪柳に似た所もあるが、葉が多く濃い緑が何となく時い感じで、とりあわせによく気をつけなければいけない。生花にいけても留に他の花をとりあわせると大ていの花がくすんでしまって陰気ないけばなになってしまうし今日は小手惑の一種いけにしてみたが、その場合でも量はあまり多くない方が良いようである。多いとどうしても重苦しく、ぼってりして、小手惑のしなやかな枝の感じが出せない。一本の小手惑をよく眺めてどの枝を残すかよく見定めてからいけはじめてほしい。私はお生花の稽古をしている人に「お生花をいけるのは刺身を作るのに似ている」と例えて説明している。一尾の魚のいWUひ叶仰いをして出来るのが刺身である。残るかレは多いがかいはあらで又おいしい食べ方を考えれば良い。そして刺身は他の料理とちがって生のままで手聞がうんとかかるものであり、絶対に手のぬくもりを切身に伝えてはならない。手のぬくもりが伝わってしまって、ぐにゃぐにゃした刺身に食欲をお乙す人はなかろう。校はよく吟味して余分は切りとり完全な枝ごしらえをしておいて手早くいけてほしい。花器に掃して行く時は刺身を盛りつけているようなものである。皿の上でひねくりまわさないのと同じように花器の上では最小限度の手の加え方ですむようにしたい。柳の場合は枝どしらえは充分しておいてから花器にさしてから形をつける方が良い。桜等は枝どしらえの時に充分形をつけてから花器に掃す。手趨しなやかさー4

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