テキスト1981
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BU 10 クリスマスローズ鳴子百合満作(総紬角水盤)三月頃に咲くクリスマスロlズとは時期はずれな命名であるが、よく調べてみると本当のクリスマスローズはヨーロッパのアルプス付近の山地に生え、まさしくクリスマスの頃から真冬にかけて咲くのだそうである。日本で一般に栽培されているのは春咲きクリスマスローズの方で原産地もトルコ、コlカサス地方である。マンサクはいけばなでは二種類使われている。二月末から四月かけて黄色い花の咲くこのぺlジの写真のもの。秋に美しい紅葉を見せてくれる方はマルパノキといい別名をベニマンサクという。そして紅葉と花の時期が同一である。一般には春咲きのマンサクより秋咲きのマルパノキの方がマンサクとして通っている。クリスマスロlズもマンサクも茶花としてよく使われるだけに、乙のとりあわせは日本調の落着いた気持の味わえるいけばなである。花器は渋い緑色で清水六和さんの作だと聞いている。5ページの花、違った趣きの花だがどちらにも片よりすぎずに時と場所によっていけ分けていくことも考えていただきた花は濃い赤紫で7ページの花とは日本は花の多い国である。その上固有の花の他に、すぐれた園芸技術で世界各国の花が栽培されている。まだその上に切花として、ヨーロッパ、アフリカ、南北アメリカ、オーストラリヤ、東南アジア、ハワイ、南太平洋の島々、近頃ではイスラエルからガーベラが送られてくるほど色んな花が輸入されている。だから日本の花屋ほど花の穂類が多く、又広範囲から集めて揃えている国は他に例を見ないだろうと思う。花屋にも好奇心が強いというのか年中ど乙かに良い花がないかと嘆ぎまわってる人が居る。そんな花屋と気が合えば話がつきない。植物図鑑を開いてこの花なら乙んなルlトで輸入出来るとか、日本でも栽培されてる筈だとか夢中で話しこんでしまう。果てはアフリカやアマゾンの奥地に花を見に見きたくなったり、富士山の五合目で良い、ダケカンパを見たが、あれをおろすにはヘリコプターが要るとか国立公園内の樹木にまで話が飛躍していつの間にか夜が明けてしまう。そんな夜、何気なく欲しいなと口をすべらせた花、それも何でもないような小花二、三本の事を覚えてい私達と花屋彼岸の頃10

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