テキスト1981
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山菜英(さんしゅゆ)灰茶色花瓶今年は何となく山菜英が早くから出はじめたような気がする。特別・器気がきっかったので切り出して、温かい主(むろ)にいれたら急に開花したのかも知れない。早出の山茶葉としては良い校ぷりである。だが稽古K使う場合は真はとも角として刑や留に向いたような枝先のしっかりした形のものがないととが多い。ほとんど立枝ばかりでそのままで別をとろうとしたら、真につり合うだけのしっかりした枝がとれない。その場合枝先は切りとって枝のかなり太い所から出ている横枝を利用するようにしたい。切りとった枝先は胴や控に充分使えるだけの長さが残る筈である。乙の図の山菜英も刑はそのように枝どりし、残った枝先は胴に使っている。山菜英は捷めやすいので三月の生花の精古には欠かせない花である。枝先が鋭く上にのび上がっているので低くいけると山菜英の持ち味が生かせない。自由のきく花であるから自分に当った枝をよく観察してどの花型をえらぶか決めるとよい。山菜英は秋に赤いグミと同じような実が出来るが果肉を干して強壮健胃剤とし又果実酒として飲用もする。又宮崎県の民謡「稗っき節」は源平時代のものでありその頃には日本に渡来していない。サンショウのなまりである。8

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