テキスト1981
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@よくひきしまって形のととのった備前焼の花瓶である。丸い胴の半分から上に灰粕がかかり、くずれやひずみのない端整な焼き上り。私自身が窮屈な性質の故なのか、窯の中での偶然を期待したように見える陶器は好きではない。乙の花掠なら色んなとりあわせを楽しんで考えるととが出来そうである。ラメンをあしらってみたが品のよい落ちついたいけばなになった。真中にもり上がって見える胡蝶蘭も左側にのぼした胡妹蘭と同じ位長いのだが正面を向いて出ているのでかたまりに見える。シクラメンは鉢植えのものを、形をえらんで必要な分だけ切りとっていけている。切ってすぐいけるので水揚げもよく、相当長期間いけておける。uが小さい花瓶だからそう本数はいけられない。最初に、どれ位の分@@@ 量の花で仕上げるのかよく考えてからいけはじめてほしい。計算違いは花をいためるもとである。@との牡丹はふつうのいわゆる兆『牡横長のζζでは胡蝶聞にピンクのシク瓶花題丹ではなく大輪の一人前の牡丹である。夏の終りから温度調節をして、一月花咲かせたものである。一月二十一日にいけ、今乙の原稿を書いている二十八日現在散りもせず咲き続けている。多分本当の牡丹の花の季節よりずっと気温がひくいせいであろう。枯五葉松の固さと、強さが牡丹の柔らかで豊満な情感を対照的にひき立たせるととが出来る。私の家には仕事柄使用済の枯枝があちこちに乙ろがしであるが、皆さんも正月用にいけられた苔梅や松を残しておかれると中々役に立つものである。この花は口の広い花瓶なので底に剣山を落としこんで枯松を立てている。@連魁にアンスリュlムだけのあっさりしたいけばなで写真以上K明るい花である。緑の葉と黄色の花以外は花瓶の白と黒だけの配色なので色彩は鮮明である。長く左に張り出した一枝がない場合には中央にアイリスでも二木か三本立てておく方が良い。連組だけで見せるには型で特徴をもたせなければ物足りない花で終ってしまう。ととでは枝先が分かれたものをアンスリュlムの後にいけている。一本ずついけて行とうとするとどうしても形がくずれてまとまらない。8 れん@ 胡蝶閲牡丹連魁ぎようシクラメン(ピンク〉シクラメンの葉(備前焼徳利型花瓶〉枯五葉松(広口京焼花瓶)アンスリュームの葉(白地黒掻落し紋花瓶〉

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