テキスト1981
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,A,7/,‘r11、、 J1 少し調子の変ったいけばな。それは案外と簡単にいけてしまえるものでもある。見なれた花を、おとなしくいけて、「よし、乙れで良い」と、テキストには中々自信をもってのせられるものではない。目新しきがどこかにあればそ乙を見所にして説明も出来るし、自分自身も良い気持で筆が進む。このぺlジのようないけばなは、家のどこかにいつも必ずいけておきたいな、と思うような花である。すかしゆり(だるま)を三木低く、白椿も回託のない枝を素直に使っている。寵の花のζとであるから少し枝数は少ない目ではあるが椿の葉は軽やかに、しかも落着きの感じられるだけの緑の量がほしい。緑の量が少ないと寒々した、すき間風が吹きぬけるような花になってしまう。火の気のない重要文化財の中に住んでいるような感じを与えられる花もある。日本調の乙んな花は冬場は、ともすると暖かみのないものになり勝ちである。椿など枝ぷりの見事さをねらいすぎると自己満足だけに終ることになるのではないかと思う。稽古の時はとの二種類だけでなく他にも何か一種とりあわせるととが普通だが、稽古の花を持ってかえって自分の部屋にいける時、テキストの花を参考にしていただきたい。同じ花器、同じ花でなくとも同じ感じは出せるものなのである。要はどういう風に暮らして行きたいかの共通点をお互いに探り合う乙とではないかと忠っている。いけばな日々の花毎月1回発行桑原専慶流椿白すかし百合箆)編集発行京都市中京区六角通烏丸西入桑原専慶流家元1981年2月発行No. 212

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