テキスト1981
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菜の花ネリ花器灰、不(ピンク)横長コンポートネリネは彼岸花科・ネリネ属。さまざまな花色があり切り花用に大量生産されるほか、鉢物として秋に出荷されている。可愛い花なので誰でも欲しくなるようで子供達に評判が良い。無条件で優しく明るい気分Kさそいζまれてしまう。そんな花を手にした時はむつかしく考えないで素直に楽しくいけるのが良い。とりあわせる花もこの場合菜の花で充分である。花器にしてもmやサラ、ダボウルでも間に合うしパン篭も使える。だが乙乙で一応注意して考えておいていただきたいのは、ζうした応用花器が応用ということをはなれて、その花のために作られた花器のように感じられるよう使いζなすことである。応用花器というのは花器の代用品ではない。代用品ならただの水人れにすぎない。本来の用途とは巡った価値を花によって見付け出すことなのである。大げさに言うなら、一つの固定観念から解放されることであり、いけ花でも自分自身にその訓練をする乙とが出来るのである。牛乳瓶の一輪挿ですばらしいいけ花が出来たら文句なしに大名人なのだが:::と稽古の時よく話しているが、何度も使われた牛乳瓶ほど牛乳瓶でしかないものは他にない。マークがついていて擦り傷だらけの牛乳瓶に野草を一木揮して人前に出せる?レ、、ιv。自信のある花道家は恐らく居ないだろう。牛乳瓶のイメージを破るには大変な力がいるのである。牛乳瓶ほどのものでなく皆さんの周囲には手凶な器も多いと思う。時々本来の用途以外の使い方で身の周りに新鮮な喜びをとりいれてほしい。そして現代の我々の生活は名家庭千差万別といえる。例えば汁は花を飾る場所といえば床の間か、それに類した場所に限られていたので、教わる人も稽古した花を床の間で再現すれば事足りていたのである。その上花器も大体似たりよったりのものばかりだったので、現在のように判った通りにいける場所が家にないということがなかった。現代では床の間向きに習った花が家では食卓の上しかいける場所がないという乙ともある。その場合判った乙とを利用して何とか食卓向きにいけ直さなければならない。そんな時習った花という固定観念から解放されなければ花をいける乙とができない。円った花を家で上手に生かすのには自由に発想を転換出来る気持が必要ではないかと思う。工芸家の方でも花器であるようなないような物を随分作っている。その中には良い物も多い。花器という固定観念にしばられず花器にも使えるものの中から好きなものをえらび出して皆さんの周囲を美しくしてほ明るい色18

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