テキスト1981
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東福寺の家の庭に両径叩叩位の赤松が杉苔の上に立っていたυ秋の西日に照らし山された幹の色に気がつくようになってからであるυ松の夫しさを知るようになったのは。神戸に住んで居た子供の頃の陀の松は私達兄弟にとって木立りの対象でしかなかった》大きな松だったので天辺まで登ると随分泣くまで見渡せて大変気分のよいものだったつの間にか校も幹もつるつるになり手足のかかる所には小肢がなくなって今思えば庭木としては伯ない盗に変っていたのだろうと思うνどこの家にも、そして日本中到る所花見る松は身近ではあるが、松がいけられると何か事あらたまったような感じを、つけるのは何かと到由はあるにしても而白い日本人の心情である。いけ花に用いられる松の主なものをあげてみると次のように分けることが山来る。苔松、年も二丙年もたつた松陀斉がびっしりついた最上級の松で現在では中々手に人らない。お正月用に売られている松で苔のついたものは全部が全部といってよい程苔を糊ではりつけ或は丈人松乙れは樹齢斤たものである。今川の流民の松の立花に長さ3m程の立派な丈人松が手に入ったが乙の頁の松も本wlの文人松である。枝松として売られているものは大休亦松とニパって良い。出松は佐一ーがあらく大作向きの松である。若松は三、四作目のものが切られるが、枝を残したままの校若松と比花用に校を栴としたものとがある。根引き松V〈は小松は最近少なくなったが、海岸や山地の自然生のしまった背の低い松のがをそう呼ぶが、畑で作られたようなものも似引き松と言われているようでめるυ良い根引松なら相当高価な妙ぃ円であるυ五葉松も暮には多く出まわるが幹や枝ぶりに変化がなく伏いにくいものが多いυω佃三光松はほどの刈さで柴がかたまって丸くなっているυもともと盆栽用に作られたものだが用途は広く、洋花にもよく甘い好きな松の一つである。大王松は一頃よく用いられたがどういけても形の変化が少なく最近では倦きられてしまったようである。以上はいけ花用に花屋で扱われている松だが他に這松(はいまつ)多行松、琉球松がある。実際に見たζとはないのだが赤松と黒松のあいの乙でアイグロマツというのもある。良い松を見付けて、幸せな新年を迎えていただきたい。U、AUいl松|14

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