テキスト1981
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UUU一l家元継承記念Ill−−家元継承に関する諸事を終え早くも半月になるυ十二月に入ってようやく落者いて考えをまとめる乙とが出来る余裕を得た。昨年十一月父を亡くしたが、覚悟はしていたものの心の・州みは大きかったυ私の人中で初めてねた師であり父となった人であるν共に過ごした十三年は長くもあり短くもあるο父は師としても決して物分かりの良い人でもなかったし、私も弟子としては不遜な心をもっていたνもし父が物分かりがよく、私に強い’H負心がなかったら到民いけ花は党えられなかっただろうと思っているν父は祖父に花を教えてもらったのはたった一回だけだったと話していたが、私も普通の陪古をしてもらったのは最初の三カ月位のものだったように思う。後は実戦と他流試合で今日迄過ごしている。そう過ごしながらも父の花で好きな所は全部欲しかったし、自分自身どんな花がいけてみたいのか随分考えもしたいけ花をやる前から美しいものを見分けることについての強い自負心を持つようになったのは私の生家の両親の教育であり家庭の雰囲気のせいである。父には美しさについて考「桑原専慶流展|一幸渓せとない乙うと師だにっ出合たえとた言乙えとるはu木当にえる事を教えられ、母にはそれを感じる乙とを習ったυその上で桑原専父の遣してくれた仕事の中で私に現荘有難く思っているのは、乙のテキスト作りである。去年の八月号からはじめたが毎号花をいけ、解説し時には絵も描かなければならない。その上に自分自身いけ花とはどういうものなのか、しっかりした見解を持っていないと読者に対して無責任な矛盾に満ちたテキストになってしまう。最近各方面の学者によって日本文化の仙の川界との特妹性と共通性の根底が解明されつつあるが、いけ花も日本固有の文化の一つとして考える場合、そのような研究結果から得る所は大きい。明治以後最近迄日木文化も大変誤まって解釈され進歩というより消滅の危機に附されて来たが私もH本文化の一実技者として知識と見解をひぢめ、流儀の責任者としての役割を少しでも多く栄たしたいと考えている。今回のいけ花展を開催して見て焔感したζとは皆さんの自分の習っているいけ花に対する誇りの高さと流儀への愛者の深さであるuそれが力となって流内のすべての人が胸をはって堂々と観客を迎えることが出来るのである。これを読んで居られる貴方が御認めになろうとなるまいと員方御向身がとの会を聞かせた原動点になっているのであるυ誰しも向るυ処が今回はその気持がまともにるο受付の係の方の報告によると三分の流儀のいけ花展は格調高いものであってほしいと願うには違いないが、中々そうはならないものであ咲いて美しく喜びに溢れた場内を自にするととが出来た。その幸せを皆様に感謝申上げたい。そしてその上流内の我々だけでなく史に広い世間の皆様の中にも私達のいけ花に楽しい期待を抱いて下さっている方が如何に多いかということも知っておいて頂きたいζとであ万人の入場者があったというがその事からもはっきり分かっていただける乙とではないかと思うuすでに我々だけの為のいけ花展ではなくなってきたようであるυ展覧会としての進行も大変順調であった》私も…一糸子も倒場巾は御来客と御挨拶をかわす以外何にも出来ないが、受付、来客の応持、会場内の心くばりも行届いていて、出品者の皆様の自主的な述内百による成功は新しい成栄として喜んでいる。幸いにして今凶の企聞については成功を収めるζとが出来たがいけ花の将来という乙とについては楽観はしていられないUvJ抗とてその例外ではない限り流の衰退はあり何ないが、そのためにはしっかりした花技を身につけること。その上幅広く深い教養を積むことである。そして一人でも多良い花をいけ続けられるくの人に自分のいけ花を分かち与えるととが必要であるυ私も素子も流の後継者とは二一一円うものの、この十何年間かは一師範としての立場で多くの御弟子さんをねて来たが何にもまして必要な条件は、しっかりした花技と自分のいけ花を向上させるための教養だけだったと言えるυ又一生懸命勉強すれば向分のいけ花を人に伝えたいという気持もだんだん大きくなるものであるu自分の花を科う人が多くなればなる程自分の教える事の責任も重一くなり益々勉強Yるようにもなるυそんな人がふえれば私も追っかけられるように勉強しなくてはならないだろうν要は御五いに磨きあえる場があってこそ個人としての向上があり流としての発展が望めるのである》現在いくつかの研修会では技巧上の附題点は色々と話し合えているが、いけ花というものをどう考えればよいのかについての討論も今後必裂な事だと思っているuそのようにして流全員で共有出来るいけ花をさぐり出し、それに行きつける道をひらくのが家元としての責務ではないかと思っているυ今回の桑原専慶抗展で流内の皆様の色々な感想を御聞き山来たととが今後の私に大きな足がかりになったυ流展終了後の御技拶としては当を失した文章だが盛会の御礼と今後の御力添えを願って筆をおく3

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