テキスト1981
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ニュlカレドニアで寅って来た木彫りの包の形をした大山。榔子の葉を敷いた上に魚の焼いたのをのせて浜辺で島の人達が食事を楽しんでいる。海外旅行のCMにもよく出てくる情景だがそんな時に伎われている木山である。実際に使われていたものだから、しみだらけでしかも手荒い彫り方なので日本料理には向きそうにない。足も一木だけ短くてガタガタしている。昨年の夏ニュlカレドニヤで父のお土産にと買って帰ったものだが、帰った時はすでに入院していた。父は乙んなものが案外好きで、よく訳のわからない古い下手物(げてもの)を買って来ては「隆ちゃん、これ一体何するもんかな、ちょっと調べてくれんか」と頼まれることが度々あった。そうした品物・もその時には分からなくても三年か五年自に何にどう使われていたものか判明する乙とがあったりした。よく市内の道具尾を一緒にまわったが買うのは好きでも値切るのは下手だった。大ていの道具屋は正札の一割か一割五分は黙っててもまけてくれるものだが、その分だけの交渉でいい買物をしたと満足していたようである。父の遺してくれた道具類は私達の好みと共通したものが多く、おそらのといえるだろう。私も好き嫌いのはっきりしている方だし、自分の審美眼にもかなりのうぬぼれをもっていたがそんな好みの点からでも父のく8割以上がそのまま私の好みのも花なら習ってみたいという気になったのである。との頁、上はニュlカレドニアの木皿に金魚草、しだ、ょうらく百合の小型のようなオレンジ色の花とをいけてみたが、乙の木皿はζれからも時々テキストに使いたい。下は黄水仙とアマゾンリリlの小品花。宇野仁松氏のコンポートを使った。

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