テキスト1981
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くυ早芋の花は海芋の花を長くとが白に少し淡緑色のぼかしの入ったアンスリユ|ム、少し色っきかけた猿取茨(さるとりいばら)。淡い色感のとりあわせではあるが、形や線或いは面からは硬い感触を与えられる。猿取茨の同曲した茎と赫(とげ)、アンスリュlムのセルロイドのような萄(ほう)毘い焼き締めの花器、それも本当に土を火で圧縮したような感じのする花器ものにいけている。優しい色彩の花でありながらきついいけ花である。でもやはり花器の中の水を少しずつ吸いあげて、美しさを保ってくれている。毎朝水がlm位減るのでそれがわかる。優雅な生き方だなと感じ入ってしまう。乙の花は最初に右に大きく伸び出た二木の猿取次をいけ、次に左下に下がる枝を挿しておいてからアンスリュlムを六本いける。それからアンスリュlムの前にかかるように、或いは花器の右の口の辺から垂れ下る形に猿取茨を加えている。アンスリュlムは花としても特異な形状であるυ花弁のようなのは笥という。花を保護する業と言って良い。尾のような部分が花なのである。同科の出芋科の海芋(かゆう)の萄をひろげると、アンスリュlムのような形になるο水芭蕉や座禅草、カラジュ!ムにも同じような花が咲らせたような形をしている。。そして四角のローマ法皇と、仏教の代表的僧侶が世界の平和について語り合い、お互いに祝福しあってもそれぞれの宗教的陣営から非難を受けるような時代は過ぎ去ったようである。ヨーロッパのキリスト教社会では聖堂ロが共通の(カトリック、新教の他分派はあるにしても)聖典として絶対視され他の宗教は異端として白眼視されて来た。異端は征服されるべきものではなくなり一つのテーブルに座って語り合えるようになったのである。相互の宗教や思想の中に、人類として共通のすぐれた価値体系を見出し始めたのである。そして異民族の思想の歴史を辿ろうとする広い視野が必要になってきた。そして戦後の技術の進歩が情報の交換を容易にしたととでその傾向は更に大きくなった。明治になって円本は国策としてヨーロッパ文化を強力に移入し続けたがそれは当時の列強に対抗し得る力をもっ為のものであった。富国強兵が国是であり、そのための重荷となりそうな文化的遺産は気楽に拾てられ、伝統文化にたずさわっていた人々はヨーロッパという思想的価値体系の異った所で育った芸術と呼び得統化アンスューム(111帰来)抜取次四角型創作花器性と国伝際文4

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