テキスト1981
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(シシウド)独活栗Uるu花器灰色花瓶るυ京都の山地でも別に珍しい花でるνこのいけ花でも残している葉は花背峠の野生栗は姿は良いが実は小さい。強(いが)の中には小指の爪ほどの実が入っている。落ちた実は山猿の餌にでもなるのだろうか。独活(ししうど)は花を開くまで数年かかり、高さも1mから3mになる。普通八百屋で見る食用のうどは土計帰(うど)の方で、乙れは五加(う乙ぎ)科の植物である。独活(ししうど)は芹(せり)科に属すはない。同じ芹科の中で稽古でもよく用いる花に一回呑(ういきょう)があるν魚料理や洋菓子の香料にするフェン、不ルがそれである。パセリ、人参、芹、浜防風は刺身にそえる。三つ葉、セロリlと香味が豊かで、身近な植物が多い。栗は秋をぴったり感じさせてくれる実ものの代表であるが色はさめやすいνだが形が好まれていけられてい新鮮なものをえらんで買うようにしたい又架をいける時は実がよくひき立つよう葉を充分整理することであ最初の三分の一位のものであるοそして大方の栗は真直な変化に之しい枝ぷりだからト閉めたり、長短をはっきりさせていけてほしい。枝どりを考えずそのままいけると大きいだけのとりとめのないいけ花になってしま,っ。る。私の槙は枝ごしらえをすませていたし永山さんの木瓜もよい枝をえらんでおいたので割合い早くいけこみをすませることが出来た。手伝いに来てくれた信田康子君と四人で夕食に出たが、横浜の稽古場の発展ぷりも聞けて疲れはしたが充実した一日であった。会九月十一日−S・曇生花展初日。午前八時過ぎ手直しのため会場に入る。永山さんの鶏頭の具合がよくないのでいけかえる。九時過ぎテlプカット。高松宮妃の御巡覧がはじまる。「桑原さんはお花をあまりお矯めにならないのね」とおっしゃったが実際乙の槙の生花は枝ぷりのままで少しさばきをつけただけのものである。しかし事前の枝ごしらえには時間と手間をうんとかけている。槙の枯幹を中心に、分れ枝のついたものを真、副、胴ととりいれて、前後に枝を充分捌いて奥行きをつけているリ乙の辺までは三本ですませた。留、総囲、控には短い枝を十本以上使っている。留から控の問は手を抜くと寒々したような花になる。生花をいける時に副側に時間をかけ過ぎると、留に力が入らなくなって失敗作になる乙とがあるυ体力や注意力の配分も花をいける技術の一つであろうと思う。乙の夜「生花」展(以下次頁)川11

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