テキスト1981
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「白血判月瓜木るν木樺や縞部は朝早いうちに切り京都の町中(マチナカ)の家には小さく、理想化された自然がとり乙まれているu中庭は奥座敷から、ただ眺めるだけに作られたものであで隅々まで手入れが行きとどいている。せせ乙ましさを嫌がる人も居るが、京都の町中で何十年、或いは何代もそ乙を住居と定めて生きて行くには、どうしても乙んな庭が必要なのであろう。下手に野趣をとりいれようものなら、部ちついて眺められる日は一・年のうち、どくわずかなものでしかない。その代りに、裏庭には表の庭や中庭には不向きでも、時折切りとって奥の座敷にいけられるようなものが植えられているu常緑樹で造られた中出の眺めを奥座敷の床の間に四季の香りがそえられて、その山本のれらし方が出来上がるのであるυ木樺、木瓜、縞薄は裏庭の花であとるν切ってすぐいけるならそれほど水揚げの工夫はいらない。せいぜい切刊を挫くぐらいでよい。前日の夕方に切った開花寸前の木樺なら、翌朝美しく咲いてくれる。深くいけられるような花瓶に挿せば外よりかえって花の美しきは永もちするようにも見える。庭の木瓜の実は枝が短かすぎるので丁度花屋に手頃なものがあったので買い求めてきた。夏の浴中のいけばなである。庭Kおりるのは加除の時ぐらい洛中Uム〈薄木樺るU(むくげ〉花器花色-e← (ぼけ〉ノた.. -. 4

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