テキスト1980
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切角丹念にいけた花も一夜あけたら見る影もなくしおれていたu七月、八月はそんな日が続いたに違いありません。いくら良い形に仕上げたいけばなでも、それでは仕方がありませんυたとえ形は悪くなっても毎朝花器の水をかえ、水切をして少し休めてやり、そして葉には水を浴びさせてやっていけ直すというのが夏の聞の朝の日課になっていた告です。だが考えて見ると手間はかかるが花の姿を丁寧に見つめる機会にもなっているのです。咲くか咲かぬかの膏にも目が行きとどくでしょうし、何回も水切して短かくなった花に忠わぬ美しさを見山す喜びも味わえます。九月になれば少しは花もちがよくなって来ます。今度は花がよくもつのにまかせていけっぱなしにしておくと、まず水盤に域が浮いてきます。そんな時はすぐ水をかえて下さい。'@ 4⑤ いけばなの手入れ10

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