テキスト1980
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五、六月乙ろになると、ねぎ坊主の種類でアリュlムの種類がいろいろ自につくようになる。細いもの太いもの種類が多いが、また、直線状のもの曲線状のものなど変化の多い材料である。頭部の巨大な種類はギガンテゥ1ムといい、乙れは茎が直線状でその中花、アリユ|ム・ロlゼンパッキアlヌ、アリュlム・アフラチュネンセなどが切り花として用いられる。臭気のあるのが欠点だが、配合によつては中々面白い瓶花を作るととが出来る。玉ねぎの茎は茎の一部分がふくれて形も面白く、また、河原に野生する野ビルは細い茎だが、風を・つけて自然に曲線の形となり風雅である。昭和の始め乙ろ、まだ、ネギの類などいけばな材料として用いない頃だった。そのとろ前衛いけばなに熱心だった私は、枯れた花材や実ものなど、思いつくままに使いはじめたのだが、そのとき、ネギの種類をはじめて花材としてとりあげ、大阪心斎橋のある画廊で花展の材料に使って、評判をとった乙とがあったが、とにかく「下手もの屋」といわれた乙とがあったが、桂川の草原で野ビルを採集して活けたのも思い出になっている。アリュlムは一名アリアムといわれ、ラッキョウ、玉ネギ、にんにく、にらなど、ねぎの仲間の総称である。上品な感じのものではないが、形が奇異なのであしらいの花との配合によっては、面白い取合せになる。掲放の瓶花はアリュlム、アジサイの二種であるο六片の花だが花器は淡褐色変形の壷で野趣のある花材によく調和している。水揚の悪くなる季節である。材料を選ぷときよく注意せねばならぬ。とにかく新鮮な材料である乙とが第一だが、水似のよい材料でしかも爽やかにきっぱりとした花材であるとと。七月中旬までは百合の類、女郎花、キキョウなど夏らしい花、ベ、ツルモドキ、サンキライなどの山ものの材料、カキツバタの返りばな、紫ばなのテッセン、藤ナデシコ、野カンゾウ、ガンピ、トウウチソウなど七月の花として適した花材だろう。緑の葉の多い中に少量の強い色を交えるといった調子の配合が好ましい。活けるとき水切りをすること、足もとを焼く乙とを忘れないように。軽やかに清楚である乙とが望ましい。雪柳の緑、アケビ、ムアムこれからの花材二工12

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