テキスト1980
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モロッコの陶器でかなり背高い壷である。番一体の花型で下方の垂れ③低山の丘陵地帯に野生しているサンキライ(山帰来)。山いばらでまたの名を狼飛いばらともいわれる。初夏のころ黄みどりの実をつけ、秋になって赤色に色をかえる。風雅な趣きがあるので瓶花の材料として用いる乙とが多い。まばらな葉の間に丸い実をつけている情緒は画に描かれることも多く、山の材料として中々面白い材料である。垂れ枝の姿をもっているので瓶花には背高い査の花器がよく調和する。写真の瓶花はサンキライにためとも百合をつけたが、花器は枝を花器の左方と前方へ下垂させて、花器とのバランスを考えている。上方は低く作り、副材の百合は頭を低くして花は前方へ挿し出している。サンキライ、山百合の配合はともに山の材料であるだけに調和がよい。花器の岡山朱が変っているので、その前方へ重ねたサンキライの緑の葉との重なりが色彩的Kも引き立っている。垂体の瓶北としては代表的な花形といえよう。花器が花を引き立て花が花器を引き立てている。ぴったりとした調和といえよう。⑤淡福色の陶器、乙れは竹の子を写した清水焼の査である。かなり背の高い者だがどっしりとして安定感がある。黄色のかんぞうの花、紫青色のあじさい、栽培の花材だが自然性のこのこ程は季節感もあって調和がよい。かんぞうの曲のある葉が瓶花の花形をよくしている。基本的な花形だが、アジサイの三つの花の位置が、まとまりのよい形におさまっていると忠う。花器の褐色との色の調和もよく、薄板の黒色もこの瓶花を引きしめている。乙の場合の薄板は効果のある装飾といえよう。乙のままの取合せで深みのある水椛又は鉢に入れるのもよいだろう。かんぞうの開花は日持ちがよくない。しおれた花をとり去ってつぼみの咲くのを待つ。あじさいは株もとを熱必Kつけて水揚をして用いるのがよい。かんぞうに桔梗、あじさいに姫百合など色彩的にも美しい。七月の瓶@ サンキライ⑧ カンゾウタメトモユリアジサイイt::④ 8

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