テキスト1980
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ササユリヤマナシビワキキョウヒメユリ(生花)ヒメユリ@今年はササユリが悪かった。天候の加減もあっただろうが、なるという不作ぷりだった。毎年六月はじめより中旬までかなりの期間たのしめたのだが、乙んな年は珍しい。との瓶花は6月目円に活けたのだが、ササユリとキキョウの配合である。ササユリを高く入れ、副の方へキキョウを分量多く入れている。花形としても珍らしい用い方である。花器は黄褐色の陶訴で、ユリを高く浮かせて挿し、その株もとへキキョウを束ねるように一方へよせて使っている。安定感のある花形であると思う。緑の中の淡泊な配色はすがすがしい季節感が出ている。③山梨花姫門〈いの水船内生花。初夏の乙ろ山木の白緑の葉、ヤマナシは季節にも新緑の感じの深い材料である。瓶花にもよく生花の材料としても好ましい。写真の作品はヤマナシの料やかな枝を三本真副胴の部分花入れ、留控に姫百合をあしらっている。白緑に朱色の配色はことに調和よく美しく、清楚な感じの生花である。山梨の材料を多く用いるよりも単純に少量用いて淡泊な形づくりをするのも一つの行き方である。初夏の花らしいすがすがしさをみる比花といえよう。@ガラス器に入れたビワ、姫百合の盛花。前方右のビワを長くさし山し、その沈みの位障と左方留へ姫百合を入れている。濃い緑の葉とオレンジ色のビワの実、その後方深く控へかけて姫百合の朱色が入っている。透明のガラス器との調和がよい。いかにも反らしい花である。顔をみせるとすぐ残花に③ ⑤ ③ 4 。

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