テキスト1980
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きつばたζのかきつばたは花一本、葉組み三、で作った。真三枚、胴五枚、留二枚である。真の葉の後方に花一木を入れた。左の留は二枚の葉を短かく入れ若葉の姿を見せている。乙れは三月下旬花活けたもので初期の姿である。足もとを美しく揃え、水而を美しく作りあげる様に注意する。くさりと花との問に見える空間を美しく見える様に考える乙とが技巧である。高さは床の間の中位に釣り、花器の内部が見える程度の高さが頃合いであろう。1)10 かきっぱたは上品な花である。日本の古典美を象徴する花といえよう。乙とに一府開しとして生花K活けた場合、一層その感じを泌くするο比花という伝統の花はとのかきつばたに見るような格調と静寂にその本質をうかがう乙とが山来るのであろう。乙乙に掲岐した生花は、「約一船の化花」である。床の間の上座天井に蛭釘(ひるくぎ)を打って釣り船の花器をかける。くさりの三角形の中に花形をおさめる花形と、B図こでまりの釣船にみるように、くさりの外部まで枝葉をさし山す北却がある。乙のかきつはたは左勝手の葉組み三、花一本の形であるが、いかにも占典的な感じの中に落持のある形である。かけはな、釣船など伝統の意匠をあらわした雅趣のある生花であるが、伝統日本のいけばなの中に、ま乙とに好ましい意匠花といえるο花器は肯銅の釣柁器だが、竹器でも作られており、いずれも雅趣が感じられるuつり船器のくさりの三角の空間の中に北形がよくおさまるように形を作ることが大切で、くさりの三品川形の中に花形を巧みにおさめるととが技術であるο活けるときは花探が廻らない様に静止した形をよく見定めて活ける。少し重量のある花器がよく安定する。活ける場合は合に乗せ活け上げ、その後、台をとりのぞく。床の間の釣り船の花は、ま乙とに風雅であり、落着のよい調和であるが、床の大ききゃ懸軸との配合をよく考えて取合せる乙とが大切である。釣船の花を活ける場合は、床には飾りものを置かず、広々とした空間の中に釣花一つというのが好ま主として軽やかな日本店の草花がよく、枝葉の重い感じの木ものは適当ではない。釣り船か③ 2

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