テキスト1980
51/137

花木の季節が終わって乙でまり、つつじなどかんぼくの季節になった。瞭澗たる草花の美しい季節でもあり、かきっぱた、睡蓮の咲き出す水草のそのはじめである。かきつばた、はなしようぷ、すいれん、こうほねと夏の水草が咲きはじめ、自然も初夏の感じにうつり変る。新緑の中にすがすがしい水草の若葉を見るのもひとしお清爽の情緒を感じられる。いけばなにも華麗さよりも清楚な感じの花を活けたい、五月の季節である。いけばなかきっぱたる。花器は淡青磁の腰高水盤で蛙の手があり毎月1回発行季節の花,カキツパタを活ける。~花にはいいものである。きっちりとした葉組み,緑の葉lと紫の花。色彩にも初夏の美しさを感じ桑原専慶流花器としてもぴったりとした調和といえる。生花の品格を充分しめした作品であろう。黒いうす板をしき端然とした落着きがあって生花の最も好ましい作品といえよう。編集発行京都市中京区六角通烏丸西入桑原専慶流家元1980年5月発行No. 203

元のページ  ../index.html#51

このブックを見る