テキスト1980
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4月より5月へ、いよいよ草花の季節である。桃桜の木の花は4月中旬で終わり、雪柳、ζでまり、つつじなど「かんぼく」の花が咲きはじめる。白木町と洋和の草花が咲き揃って花のシーズンとなるο露地で咲くフリージャ、カーネーション、アマリリスなど唯一嵐な色彩の中に溌湖とした光沢があって実に美しく新鮮である。いけばなには軽やかに清楚な感じに活ける乙とが望ましい。ζとに掲載の写真は「フリージャ」と「ポリアンヌ」のピンクの花、とのこ碍をとり合わせて黒く掲色の水椛に盛花を作ったが、フリlジャの細い米.と緑の葉を前景に掃しその後方K低くポリアンヌの淡紅色の鉢ものを根洗いにして添えたυフリージャの細い茎を通してポリアンスの花の色を見ようとするとζろに着想があるυ明るくやさしい春の盛花である。高は日木屈の花よりも洋何の草花が多い。パンジーの紫、フリlジャの紅色、淡紫色、アネモ、不の紫と赤、ラッパ水仙の大輪花など華やかに美しい。瓶花の副材としてもよいが、むしろ小型の水盤に一応帰しにするのが花を引き立てる乙とになるο小型の盛花であっても花茎と葉の組み合わせを「寧に宅問の美しさを作るように考えたい。乙の季節には椿の柿類も変った花を咲かせる乙とになり、乙れも一種掃しが花を引き立てる。かんぼくの類には若芽のめぐんだ枝ものを主材に椿のあしらいも雅趣があって好ましい。早咲きのカキツバタを少量、小さい鉢に挿す一一相生けも季節感があって楽しい花となる。多くの花材の中から、季節感のある花を選択して美しい花を活けましょう。毎月l回発行フリージャポリアンヌ編集発行京都市中京区六角通烏丸西入桑原専慶流家元1980年4月発行No. 202 桑原専慶流いけばな

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