テキスト1980
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温室栽培の春の洋花に幼い自の夢を描いて、小品のいけばなを作ってみましょう。二月から五月までは洋花の華やかな色彩のシーズンです。小さいガラス鉢や小山の類を利用して、手軽な花を活けるのも楽しいものです。陶器のオランダ人形などを添えて、花との調和を考えるのもやさしく美しい趣味といえましょう。少しの分量でも、色の美しい明るい感じの草花を手軽く留めて、装飾効果を考えるようにしたいものです。そんな感じの小品花を数点作ってみましたが、皆さんもお手持ちの蒋器やバッグの類を応用して花を入れてごらんなさい。まあ可愛い花、と今まで気がつかなかった美しさを発見することになります。常識的ないけばなの形式をはなれて、レース編みやパッチワーク、刺繍をつくるような楽しみをいけばなにも応用して下さい。乙のページの花は、シプリペデュlム三本、葉を添えてガラスカップに挿しました。ガラスには橡に紅色の線状が彩色されており、円相の闘の葉(パンダ)との対照も美しく、軽やかに明快な感じの小品花です。白いレlスの敷物の上に置き、それに対照させてオランダ人形(陶器)を飾ってあります。なんとなく童話の世界を思いお乙す織なお花ではありませんか。褐色と緑と白の洋蘭の花、紺色と白の陶人形、清楚な色調の配合です。夢のある春の小品花No. 201 毎月1回発行桑原専慶流編集発行京都市中京区六角通烏丸西入桑原専慶流家元1980年3月発行いけばな

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