テキスト1980
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顧~ ④ 花器は白に黄掲色の線条のある四方形の壷。口辺に変った形のある創作花瓶(清水竹内真三郎氏作)。花材は黄紅色のビラカンサスの実のある木に、ミリオクラタスの緑の葉を添えてある。工芸用品のゴールデン。ハフ(淡いキツネ色)を加えた変った配合である。黒色のバックに、左方にかけた紅色の。ハネルに白字に書いた文字、美しい配合である。左右のひろいフロアーに花一瓶、会場をひきたてている。瓶花様式に活けた作品だが、その感覚は装飾的に明る<モダンな感じが深い。④⑤ 黒根色の方形の壷に入れた瓶花である。花材は桐の木(白色に染める)、ストレチア10木、アンスリウムの築5枚、モダマヅルの配合である。白色のビニール製の隈板をしく。かなりの大作で力強い作品である。黒褐色のバックによく調和していると息う。⑤会場には8作のいけばな作品があったが、染織展のいけばなとしては、かなり大胆な作品であった。従来、呉服の中のいけばなというと、一種の引き立て役の様な役目を仰せつかるのが普通だが、この会の様に、写真展といい、いけばな展といい、それぞれが独立した作品にスペースを割いて、結局はこの染織展を飾ろうとする意図は全く新しい考え方であり、写真家も生花家も真剣になって協力することになる。これは企画の優れた感覚によるものと思うのである。近頃珍しいこの展覧会を報道するのは、こんな形式の展示会が今後も行われることに期待するからである。(専涙)⑥ 特別室には染五郎の写真。ハネルがており、黒色の敷布、渋い紫色のバック、中々力ラフルな装飾である。この広い室の中央に素子の作品一点。これは四方面の盛花である。淡いビンク色の麻紙で造形されたアロカシア風の業、コチョウラン2種、バンダの花、アロカシアの濃緑の葉、ミリオクラタスを合挿して背高く活けた新様式の盛花。写真展に調和するいけばなである。とにかく、染織展としては意表を越えた装飾といえる。R30点陳列され一' 11 ~

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