テキスト1980
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R前号にもお話した様に、菊は細くしなやかな茎の材料が活けやすい。太輪一花のものよりも中輪二花の菊が生花には適している。十一月、茎の柔かく曲りやすいものが理想的であり、この写真の菊は一輪づきで太く活けにくい。真、高く真の裏、真がこい、見越、副、胴、留、控、総がこい以上の如く用いてある。左方にのびた留の一輪がこの生花のいちばん難しい用い方で、この留によって花形が作れている。留と控によって大きく空間が出来ており、また、これが生花の花形を作りあげている。後方には上方の後部に一本(真の裏)と、副の後方に沈めて奥深く一本見越が入っており、:これによって花形の奥行を作っている。足もと(水ぎわ)を美しく揃えることが、生花として最も大切である。黄菊R R赤掲色の壷に葉仙九枚を活ける。この花器には銅の中筒を入れ、それに斜めのくばり木をかけている。ム勝手草の花形である。普通の花形(行)より副を長くさし出し留は前方斜めに出して、左右長短のバラソスをとっている。真、真がこい、見越、副、胴、胴の沈み、控、留、総がこい以上の九枚である。葉閣は葉の選択をよくすること、葉の大小と右葉左葉(葉の裏より見て右の広い葉、左の広い葉)を適所に用いること、その用い方によって花形もよくなり、花体を作りやすくする。数多く活け、技術が上達してはじめて、美しい花形が作れる。(9本)ばらん(9枚)8

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