テキスト1980
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立花や生花は美しさの大きな要素は水と茎の対比にある。大きな水面を見せる薄端(うすばた)竹の寸簡でも必ず水面が見えるし、きりっとしまった株もとは水際立ったという言葉は立花や生花の水際から思いついたのかとも思える。茎の美しい花として海芋やアンスリウム。とくさやふといも茎だけの花である。水際を見せていけたい。ダムで水没した所でよく見かけるのだが、大木の大幹が水にかくれ枝だけが水面から出ていることがある。水面に枝がうつり変った美しさが感じられる。水面から山た枝は一本一本が独立したようでからみあったり、どちゃついた所がない。規則正しくどの枝も上にのび上っている。上の方では互いに交差しているが水面に近い所は美しくすけて見える。乙んな説明で乙の花のいけ方が分かっていただけるかと思うが水際から交差させず、前から見て茎がかさなり合わないよう、一本一木の間隔も同じぐらいの広さをとっていける。乙のいけばなは水も大事な見せ所である。毎日水をかえ剣山も小石でおおうようにしたい。mmかひまわりは開花してから和子になるまでの聞いつ切りとっても使える花である。次の頁のひまわりは花びらが散り終った所で種子はまだ大きくなっていない。白っぽいガーベラととりあわせ松でしめくくっている。乙げ茶のひまわりだけが強い色だがガーベラの白さでやわらげられている。丸くて重い色のひまわりには黄土色がかった’円のガーベラの色が渋味のある上品な配色になる。男性向きの花といえる。そんな意味では社長室なんかによくあう筈である。渋さはあるが明治、大正のいけばなの古くささは感じられない。現代φ花といえる。いけばなを押うのは女の人ばかりで男はほんの少ししかいない。いきおい我々も女の人の好みそうな花をとりあわせて教える乙とになってしまい勝ちであるが、男性向きの花もたまには考えるべきであろう。との花は社長室に向くのではないかと言ったが大ていの場合会社の中のそうした部屋は男性のものである。優しげな花ばかり望んでいるとは限らないし、私自身が社長室に居るなら渋いが現代的ないけばながほしい。要はその部屋の主によく合った花が望ましいのである。お茶の方では男も抵抗を感じないで入門しら日仰は楽しく秤っているが花の場合は中々そうは行かない。責任は我々教える側にも多いようである。数少ない男性の入門者にも女性向きの花をとりあわせて同じように教えるからかも知れない。だが男性向きの渋いが現代感のあ男のためのいけばな支と水二まユ(花材)びきアントリューム8

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