テキスト1980
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金茶色と黄色のスプレー菊(花屋での俗称)をとりあわせ、黒い三角形をつなぎ模様にした花器にいけている。季節の稽古のとりあわせの好例である。栗の葉は大てい虫喰いの穴があいている。葉がつきすぎているので枝の線をよく見定めて乙乙だけは必要という葉を残してあとは落としてしまう。そうしないとせっかくの栗の実さえ形がはっきり出なくなる。乙の花で葉は四分の一位にへらしている。花形をととのえる上で注意してほしいのは斜左上にのばした枝に対して花器の口の上に見える栗の実は約印叩前に突き出ているのである。その後の菊も前に倒しているので低く見えるが位の長さがある。中央ω佃後方の栗は奥行として大分後にさしてあるので前の栗の先から後の栗の先まではおよそmm近くある。それ程の奥行を作って乙そ一つ一つの花や枝が場所を得て、ゆったりと色や形が浮かび上るのである。低くいけるのと短かくいけるのとの追いを知ってほしい。写真で低く見える花でも相当長く切って前に倒しているから低く見えるのであって低い花も実は長い花なのである。黒地に赤奥行き(花材)栗黄花の品→← 二司悶ル」(丘5

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