テキスト1980
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一一一一一一〈写真@〉季節の変り目という頃は稽古のためのとりあわせにとまる乙とがよくお乙る。制のうちにその日の何軒かの稽古先のとりあわせをきめるのだが、毎日のことなので花屋さんとの相談は電話で大体片がつく。前日の稽古で良かったと思った花も次の自に新しく入荷していることは期待出来ない。その上その日に入った良い花でも同じ稽古花がかさならないように注意しなければならない。一年の問に何回かとりあわせに苦労する乙とがあるが、それが花の季節の変り目である。花屋さんの店に行ってもすでにその月の間に使ったものばかりでどうにもならないものである。そうした場合に時々使ったりしてみるのが乾燥花材である。とのテキストのホウキキビは乾燥花材ではなく新らしい季節のものであるが.ダリアとのとりあわせは初秋らしい季節感のにおう一作である。白っぽい変型の花器にホウキキビは先でひろがるようにいけである。ひろがらないで束になったようなものは注意してひろげてやらないといけても別にとれといった面白さは感じられない。ダリヤは花笠という種類のものである。ホウキキビは他の秋草の色々ととりあわせて五聴いけ位にも使える便利な花材である。〈写真@〉広い玄関などに薄板をしく程度で世く花。上から見おろした時に美しく感じられるようにいけた。近頃の家は玄関の上り橿(がまち)も低く、広くとってあることが多い。主客共立ったまま応対出来るようになっている。そうした玄関なんかの場合、わざわざ高い台そ置いて花を飾るより床にじか置きしたいけばなの方が良日本風な建築でさえも個人の好みを充分に生かしてあるので家の各部の広さの割合や高さのとり方が昔の家とは随分と違って来ている。いけ花の方でも従来の基本的な形式の花ではいくら花のとり合わせを変え、花器の新作を持って来ても間に合う訳ではない。といって先走った理解し難いいけばなも実際に家庭には持ち乙めないものである。写真の花器は幅日佃ぐらいの淡い灰緑色に細い白い線の入った水盤である。上から見て大変美しいのでそれを活かして、オンシジュlムの花の聞からも充分花器が見えるようにいけである。左にはり出したオンシジュlムも写真で見る程には高くいけていない。花器の水にもいつも注意をはらう必要のある花である。@ ホウキキビ・ダリヤ8 苦労する季節の変り目の花材

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