テキスト1980
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Rまっ赤なポインセチアが花屋で鉢植にして売っている。これはクリスマスに飾られる花である。日本名は狸々木(しょうじょうほく)といい、観葉植物の一種である。切ると水揚げが悪く、最近では切り花よりも鉢植として栽培されている。まっ赤な葉と緑の下葉。目覚めるような鮮麗な色彩なので、乳彩蘭を添えて瓶花にする。広口の陶器に鉢のまま、すっぽりと入れ、その脇に乳彩蘭を添える。(剣山)このごろ、ーベースをおき、ボインセチアを植えこんで装飾にしている。色彩的にも美しく統一して飾ってあるのが、一層美しく感じられる。東京銀座の各商店の軒先にお揃いのフラワRノ温室咲きのアイリスが出はじめる様になった。アイリスの青紫色になたねを添えて水盤生花を作る。分体花形である。アイリスを真に三本。副、胴にそれぞれ本ずつを用い、アイリスの葉を添え、また花形にのびやかさを見せるためにシンビジュームの葉を添えて花形を作る。のびやかな曲線状の葉によって流駁な慇じに見える。株もとを―つにまとめ、留、控は小葉を添える。左方の留(子株)に菜利を入れる。アイリスの紫となたねの黄緑色の配色が美しい。水盤は「飴釉(あめぐすり)」の黄掲色である。アイリスの主株(おもかぶ)と菜種の子株の中央の空間を魚道(ぎょどう)といい、美しい空問を作る。これに二株/の技巧がある。アイリスの線条の葉となたねの広葉とが調和よく、この二つをすっきりとした技巧でまとめ上げる。ひきしまりのある生花の技法である。軽やかに明る<、色彩的にも美しく、技術的にもすっきりとした仕上げが望ましい。一6@ @

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