テキスト1979
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蒲(がま)は池沼に野生する水草である。太閥と同じく初反より初秋にかけて花材として用いる。がまに二種あって葉の広く実の大きいもの、葉が細く光沢があって実の少さいもの、莉類を異にするのだが、いずれも水盤の花材として好んで用いられる。生花にも盛花にも夏季の材料として適している。小花には河骨、睡迎などあしらいとして調和がよく、また、夏の草花、キキョウ、河原なでしこなど、自然趣味の草花をつけると調和がよい。伝統生花では水草陸草を取合せる場合には、「水陸の別」といって中央の魚道の位置に飾り石を置くことになっていたが、今日ではこの自然写実の考え方をやめ、二種の花材を合挿する意味において配合に重点をおき、石を使わないことになっている。なるべくおおらかに楽々とした調子に作りあげる。子株には姫百合、タメトモユリ、河骨、ナデシコ等、淡彩的な花が好ましい。地板は文人趣味の道具である。盆栽などを飾ることが多い。瓶花では松、梅、木迎、椿、楓など山木を活けて飾ると調和がよい。実つきの木もの、春蘭、バラ、山菊など趣味が一致する。地板R がまキキョウ10

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