テキスト1979
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(生⑧ナッハゼアジサイ一種トルコキキョウ紫陽花は六月の花である。庭に大きくのびて雨に打たれて咲くあじさいは梅雨に識子をあわせて咲く「さみだれの花」ということが出来る。日本種のあじさいは国センチを越える高さのもの、重たげな花頭をならべて特に大きい壷や大篭などに活けるのは豪快な感じがして中々面白い。座って活けるよりも立ちながら中腰になって活ける花といえる。洋種のものをハイトランジャアという。これは小型の花首が引きしまっていて、瓶花盛花に使うのはこの種類が多い。写真の生花はハイトランジャアである。鉢植にも多くつくられているのだが、しまりがあって小型の花頭に紫色、紫赤色、緑白色の種類があり、葉も小さく形よく生花にも活けやすい。牡丹、調子をとることも考えられるが、主として葉によって花形をつくる材料である。真の部の内部、内ぞえの葉、留の葉、副の葉など、大葉の形を利用して花形をつくることが多い。この写真では留に出ている大葉のように、これで形を作るのだが、前置、左方の胴の葉とともに、あじさいの生花として特徴のある用い方といえる。どっしりと安定感のある花形があじさいの個性である。花器は大振りの壷、ことに丸形の陶器がよく調和する。大型の篭などことに季節感があってよい。(手のないもの、あるいは牡丹篭の様に大きい手のあるもの)よくしまった形のハイトランジャアは、筒にも調和する。野趣のある竹器とこの花材の感じが一致するのであろう。この花は一稲挿がよい。小細工のないところが紫陽花の生花として好ましい持味といえる。しゃくやく、菊、あじさいなど、枝でR R 花)8

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