テキスト1979
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花材ススキヒメユリカキツバタの残花アジサイ玄関にいつも新鮮な花が活けられてあるのは気持ちのよいものである。いつ訪問しても美しい花が活けてあるのは、おおかたは奥さんのたしなみにもよるのだろうと、そのお家の幸せを癌じるのである。このごろからは切り花の日持ちも悪くなり、花屋で買う花ではいつも新鮮ないけばななど、とても長つづきはしない。裏庭にある程度の空間があって、椿、梅などの庭園樹があり、また、雪柳、こでまり、つつじなどの花の咲くかんぽく類があって、花の咲くころ切りとっていけ花に活けることが出来たならば理想的だが、また、桔柾、おみなえし、秋海棠、洋花のマーガレットやテッポウユリ、ガーベラの様く花を―二木切りとって、朝ごとに活けかえるといった趣味は、生活にうるおいをそえることにもなり、家庭を明るくすることにもなる。以の花として人衆的な花は「朝顧」である。系人づくりの朝顧などはとても恥かしくて、などと考えるのだが、いけばなに活ける朝顛はこのすて育ちの系人栽培の朝顔の方がいちばん適しているのである。庭の隅に竹坦を作ってそれにからませて栽培した朝顔を、っぽみのふくらんだころ、花の翌朝さきそうなのを見定めて切りとり、夜のうちに「かけ花」に活ける。背高い花器に活けてもよいのだが、翌朝、花器の中で見事に開花して、葉もよく水楊げており形もよく整って格好よく大輪の花が咲いて実に美しい活ザ花になる。水掲げなど不必要で切りとってそのままでよい。必ず前夜につぽみを活けて花器の中で咲かせ'> 夏の花は、少量でも新鮮なものがよい。栢朝と‘,0 るのがコッ、である。椛(むくげ)の花も同じく夏の朝を飾るのにふさわしい花である。これも朝顔と同じく夕刻につぼみを切りとって花器に活ける。花を咲かせる。清新な慇じがして実に気持ちがよりかえるような気持ちで、小さい花器に投げ入れ挿しに活けるのが理想的である。ききょうや鬼百合の花など、手軽に栽培できる花を植えて、すすきの葉にとり合わせて活けるような趣味は、それこそ生活を豊かにすることであろう。最近、私の仕事の関係もあって、ここ二三年、主として夏の季節にヨーロッパ旅行をしている。フランス、スイスなどを廻って、いつも感心するのは、どこへ行っても花の多いことである。花壇に植えられた花、観光地のことでもあり、それぞれ関係方面の奨励があるのだろうと思われるが、ロワール川に近い小さい町の道路にもスイスのムルテンやベルン、インターラーケンなどの遊魏地には道路に面した住宅のベランダにも必ずといってよいほど、草花が栽培されて幽早かな色彩の花が咲いている。遊固地の花時計から、電柱の上にもフラワーベースがあるといった状態で実に華やかに色彩豊かな花が咲いている。有名なジュネーブのスイス銀行の通りに面したバルコニーにも草花がいっばい、といった状態でとにかく、市街といい農村といい私達の観光客の行くところには、必ず花壇があって色とりどりの花が咲いている。。ハリ市内のルクサンブール宮の棗華な花いっぱいの庭園など、実に見事なものである。(専渓)朝、花器の中でーくな様多年な生球の根草類花をな植どえ一て、おあきまり、手そ入のれ季し節なにいなでっもて咲咲12

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