テキスト1979
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「いずれがあやめかかきつばた」といわれるように、アヤメ科の花はよく似ているのでまぎらわしい。いけばなで材料に使うのは、ヤメ」「カキツバタ」「ハナショウプ」「アイリス」と区別がはっきりしており、植物的には日木種のものはすべてアヤメ科で、その中には、ヒオオギや「イチハツ」「アコカキツバタ、ネジアヤメ、シャガもその種属の中に入っている。洋種アヤメ科の方も種類が多く、私達の一般に見るのは淡紫、濃紫のもの黄色の花が多いのだが、また、ドイツイチハッというのがあり、これもアイリスの中にあって殊に花に変化の多い種属である。生花には「イチハッ」「アヤメ」「ハナショウプ」と葉組み、花の用い方などそれぞれに変えて活けることになっており、それぞれの個性を考えて活ける。従って「いずれアヤアかカキツバタ」というようなことでは、生花も入らないということである。「カキッバタ」いちはつは白花がほとんどである。稀に紫ばながある。花葉ともに帯白色の白緑で葉は厚く、花苓に茎が分かれて枝状の小茎に花をつけるのが特微。葉に曲りがあり、そり簗になって横斜にのびる。陸草で多年生の草花。アヤメは花葉とも小さく、葉も細くかきつばたの花の淡い紫色なるに対して、アヤメは濃厚な紫色の小花である。カキツバタが水草なるに対してアヤメは陸草、葉は細い。稀に白花がある。生花に活けるときアヤメは葉組みをしない。いちはつとあやめ3⑧ 瓶花

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