テキスト1979
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桑原専慶流毎月1回発行夏は来ぬうのはなの季節専渓赤紫の花を咲かせるリアトリス、一木では変化のない5早花だが数多くあつめて揃えると色彩的にも強く、囲上する茅が揃って立つ形は別の個性が感じられる。花材の中には一木挿してこそ風梢のあるもの(例えば姫百合、椿など)もあり、数多くあつめて挿してこそ、その花のもち味を感じるものがある。リアトリスは平凡な草花だが、数多く挿して直上する茎の配列の中に‘―つの個性を見ることが出来る花といえよう。この写頁にある「シシウド」、この草はウイキョウ、ノダケなどと同じ種類の野草だが、リアトリスの形とシシウドの形がよく調和して変わった取合せの中に共通した形と、感覚的にも相通ずるものがあって中々面白いと息う。全体が四角い花形、これにも特徹がある。花ししうどリアトリス編集発行京都市中京区六角通烏丸西入桑原専慶流家元1979年6月発行No. 192 しヽけばな

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