テキスト1979
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R庭梅は淡紅色の小花、庭桜というのは白花の八重咲きの小さい花が、細い茎に群がって咲く。古い時代から見なれた潅木(かんほく)だが、今日では忘れられた花、ともいえる材料である。生花の材料に用いるのだが華やかさがなく、数多く揃えて花形を作る極めて素朴な感じのものである。今日、偶然みつかったので活けたのだが、手間のかかる割に引き立たないという材料。庭で咲くころは、花も美しく、ばらばらと落ちる花にも春の風惜を感じられるのだが、温室咲きのものにはその実感がない。にわうめン(枝咲き)を活ける。テッポウユリにカーネーションという取合せは、いかにもやさしく美しい取合せである。化花はきびしい、という考え方から雌れて、明る<美しい色の材料を生花として活けたいものと111心う。この写衷の生花は開花が一輪ある、というだけですっかり調子をかえているのであって、材料を選ぷときそんな配慇も必要である。怪やかな材料であっても、活ける技術はしっかりと整然とした造形が必要である。しかも色彩的にも美しいことが望ましい。④楳色テッポウユリカーネーション(枝咲き)の陶器に白百合、紅色カーネーシコ8

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