テキスト1979
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平‘,L`ナ1ー水盤右勝手草の花形(副流し)淡紅のボケ、白椿を水盤に活ける。副を長くさし出した草(そう)の花形である。枯雅な感じの生花で、花器は淡青磁腰高花瓶(蛙手)で、古風な感じの中に落若が見られる。この花器に調和よく安定する花形を入れるのがむずかしく、ことに花器の上部耳附のあたりを美しく見せるのに注意した。ボケの峨々とした木振り、椿の枯淡な幹の状態など、さびた中に品格を考えている。派手にひろがる材料をぐっとひきしめて、枝の線と空間を考え、水ぎわの花葉など、椿の葉の配列にも注意した作品といえる。3 白椿

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