テキスト1979
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いう莉類だが、水仙の生花は冬に咲く日本種の水仙でないと実感が出ない。洋水仙は第一、はかま(白い株)も簿<葉も硬く柔軟な形がなく、生花の技巧的な手入れも出来にくい。盛花にはよいが生花には不適当ということになる。そんな次第で生花には活けることが少いがとにかく活けてみたのがこの作品である。生花には生花の約束があるのだが、この場合は生花の自由花型といった考え方で、花器に調和することに主点をおいて活けたR洋水仙を生花に活ける。エン。フレスと仙(洋種)生が、まず、はかまは使っていない。葉に曲線をつけて形に変化を作ったこと、花を高く登らせて花器とのバランスを考えたこと、とにかく瓶花の考え方を入れた目由な形ということになる。さて、この水仙の生花、写真では面白く見えているが活けるのに中々むずかしい技術がいる。基本的な水仙の約束から離れて、しかも、清楚な水仙の仕花を入れようとするのだから、応用的な考え方で形よく作らねばならないのと、葉が硬く自由にならない、という点もあって意外にむずかしい。川柳と白椿の盛花を活ける。二月八日に活けたのだが、若芽が適度に出ており格好の材料である。この柳は園芸栽培で手入れをした材料だと思うのだが、すでに無駄な小枝がはらわれていて、小振りにまとまった形が花器に調和して適度の大きさである。柳と白椿は調和のよい取合せである。水盤との対照もよく、白椿を大きく入れて季節感のある花となっている。柳の芽の大きくひろがったのは見苦しいもの、と徒々草にも書かれてあるのだが、少し緑の葉の見える頃はすがすがしい感じのするものである。やなぎ白椿8 R水ーじ@ R

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